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少年悪魔
第16章 条件
遥斗が礼也と話している頃。
JRの改札を抜けて、繭は構内の長い階段を軽やかに下っていた。
あとは歩いて自宅に帰るだけだ。
時刻は十七時を少し過ぎ、空は深く暗い群青色に染まっていて、夜がすぐそこまで迫っていることを教えていた。
今日はさんざんクラスメイト達に冷やかされたけれど、何だか幸せな心地だった。
思わず、繭の頬が緩む。


「楽しそうね」


鈴の音のような可愛らしい声と共に、美しい女が繭の前に現れた。
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