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カウントダウン
第3章 ン
「里香。梅雨に入る前にどこかにデートに行こうよ」
「カウントの1つ?」
「そう」

曇り空に似合わない爽やかな笑顔で言われて
私の心も少し晴れる。

「ん~。高校生のデートの定番ってどこだろう?」
「里香はどこに行ったの?」
「蒼くんの方がデートはたくさんしてきたでしょ~!」

嫌味を言ったつもりなのに

「あ~・・・俺のデートか」
なんて頭をかいた。
「なに?」
「行った記憶ない」
「ええ~?あんなに女の子と付き合っていたじゃん!」
「う~ん・・・」
「何よ?」
「あ~・・・デートってデートはしたことない」
「なんで?」
「うちに引っ張り込んでた・・・」

その言わんとすることにハッとして
「しんじらんない!」
と手を振りほどこうとすれば
「だから。過去だって。初デートしようぜ」
と、にっこり笑う。

蒼くんのその笑顔!
今の会話にまったく似合わないんですけどっ!

「すげぇ楽しみ!」

そう言って抱きつこうとするから
「やめて~。スケベ菌が移る!」と腕をするりとかわした。
「おまっ。大声で言うことかよっ!」

すぐに追いかけてくる蒼くんにすぐにつかまって
ほほにキスをされる

「他の女とのことなんか気にすんな」

「ん」

そんな恋人同士のような会話にくらくらする。
ねぇ。好きになっちゃったらどうしようか?蒼くん・・・・

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