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カウントダウン
第5章 ダ
「しかし、中1から蒼を知ってるけど
こんなに彼女を大事にしている蒼は初めて見た」

笑いながら言う男は私の元カレ。
教育実習を無事に終えたらしい。

「俺って見る目あるよな?蒼が夢中になる里香の初カレだもんな」
自慢げに皆に言って笑いを誘ってるけど。
あんたは2番目の彼氏。
初カレは蒼くん。
心の中でそう思っても、ここはじっと我慢。

「里香のファーストキスの相手。俺だもんなぁ~?里香」
子供っぽい発言にゲンナり。
「あんた本当に教師になるつもり?」
何でもはっきり言うところがこいつの良い所か。

「それ、いつまでも言ってると蒼に怒られるよ?」
なんてメンバー中に注意され。
「お。おぅ。この話は封印だ!」
と、言った。ほんと。こいつバカ。
でも憎めないけど。

みんなでそんな元カレを笑っていると

「何の話?」

と蒼くんがこっちのテーブルにやってきた。

みんなニヤニヤして、元カレに
「あんたが言いなよ」
と、意地悪をして
「いや。何でもない。里香が可愛いな。って話」
とごまかした。
みんな一斉にプッと吹きだして
「お前ほんと。バカ」
とからかった。

私、男を見る目なかったのね・・・

私も笑いながらそんな事を思っていたら
蒼くんはカッコいいけど冷たい口調で
「里香。あと15分で午後の講義が始まるけど。少しいいかな」

蒼くんはあからさまに私をその場から連れ出した。

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