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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
 世間体を配慮してか、晃司やその会社の関係者は一切姿を見せず、美月の看護は病院側に委ねられたのも運が良かったと言えよう。もし、監視の眼が光っていたとしたら、こうも易々と抜け出すのは不可能だったはずだ。
 また、晃司の方も負傷した美月がよもやその二日後に一人で逃げ出すとは流石に予想外だったに相違ない。もし用心していたとしたら、あの用意周到な男のことだ、必ず厳重な見張りをつけていただろう。
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