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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
「先生、速見先生でしょ? うっわあ、懐かしいなァ」
 勇一は五年前と同じように、美月を親しげに〝先生〟と呼んだ。
 美月の記憶が一挙に巻き戻される。
 愉しかった日々―、大学での女友達との他愛ないやりとり、放課後、講義が終わった後、駅の近くの〝マクド〟でハンバーガーとシェークを手にして、格好良い男の子たちの噂話に盛り上がったこと、週末には、いつも勇一の通うスクールで大勢の生徒たちに英会話を教えていたこと。
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