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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
 いくら待っても、勇一は帰らなかった。美月は諦めて夜の十二時を回った頃に、自分の部屋に戻った。
 掛け布団を顎の上まで引き上げながら、美月は涙が頬を濡らすに任せた。
―もしかしたら、私は金田君を好きになってしまったのかもしれない。
 灯りもつけない真っ暗な部屋の中で、この時、美月は初めて自分の心に灯った想いを自覚した。
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