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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
 十一月をもう数日後に控えたその日、二人は夕方から車で出かけた。勇一はまだ車を持っていない。同じガソリンスタンドに勤める年上の友人から特別に借りた白いセダンを勇一が運転し、美月はその隣の助手席におさまった。
 勇一が美月を連れていったのは、郊外の落ち着いた雰囲気のレストランである。
 閑静な住宅街の中に、まるで秘密の隠れ家のように一軒だけ紛れて建つ瀟洒なレストランだった。
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