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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
「きれいな響きね。魔法の呪文みたい」
 そう応えると、勇一は声を上げて笑う。
「魔法の呪文? 面白いことを言うな」
 美月は英語は話せるが、ハングルとなると、さっぱりだ。だが、たった今、勇一が囁いた短い科白は本当に外(と)つ国に伝わる摩訶不思議な呪文のような気がした。―美月の心を甘くとろけさせ、時めかせる秘密の呪文。
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