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理想と偽装の向こう側
第23章 幸か不幸か
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最近、小田切さんは仕事を分散して平日も少し早めに帰ってきて、夕飯を家で食べるようになった。


夕飯の準備をしながら、私は母親に電話した。


『あら、香織!久し振りね。元気にしてるの?』


久々の母の声が、温かく聴こえる。


「ごめんね…バタバタしてたから全然連絡出来なくて」


『まあ~元気な証拠だろうから、で今日は何かあるんでしょ!』


流石、年の功だ!


「うん…会わせたい人がいるんだけど、お母さんたちの都合どうかな?」


『私たちは、いつでもいいけど…彼氏?』


彼氏…キュン!


「う、うん…彼が両親に会いたいって言ってて」


『あらあら!年頃なのに何もないから心配してたら!良かったわ~!しっかりしてそうな方ね。』


「うん!スッゴいカッコいいし、優しいよ!きっと、お母さん気に入るよ!」


『あら、楽しみね!そんな好い人、香織が良く見つけたわね!』


見つけてもらい、拾ってもらいました…。


「うん…凄い大事にしてもらってるの」


小田切さん…大好き…。


『そう…お父さんも喜ぶわよ~お酒、大丈夫かしら?』


「はは…凄い強いから大丈夫だよ!お父さん、お酒飲めるって喜ぶだろうね」


『良かったわ~!じゃあ、色々用意しとくから。楽しみに待ってるわね!』


「うん!ありがとう!」


母親の楽しそうな声が、嬉しかった。

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