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理想と偽装の向こう側
第24章 最終章
5年後

夕暮れ時、橋をから見える川は、夕日で朱色に染まっていく。


幼い女の子は、橋の隙間から川を見ながら寂しそう。


「風(ふう)…何かあったの?」


黒目がちな瞳を潤ませて、側にいる女性を見上げる。


「ママ…今日、幼稚園で健太くんと…お話出来なかったの…」


「ケンカしたの?」


幼女は首を振り


「ううん…なにもないの。なのにお話し出来なかったの」


母親は、微笑んで


「大丈夫だよ!明日、風から遊ぼう~!って、健太くんに言ってみよう!」


「風から?」


「うん!きっと健太くん喜ぶよ!」


「喜ぶかなぁ~」


幼女が、少し笑う。


「あっ!噂をしたら、健太くんだよ!」


「う、うん!」

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