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理想と偽装の向こう側
第9章 衝動と不安
「こちらこそ、来てくれてありがとう…。」


須永さんはそう言ってはにかみ、一瞬表情が柔らかくなった。


ズッキュンッ!!


それは、反則だ!!
そんなギャップ見せられたら、大抵堕ちるだろう!


思わず、飛び出そうな心臓と、鼻血をイメージしてしまう。


ポストカードの裏にサインまで書いてもらい、ほこほこと上気分だった。


時間にしたら須藤さんとの今日の出来事はほんの数分だったが、家に帰ったてポストカードを眺めつつ、眠る瞬間までリピートした。


起こり得るもんなんだ…
理想の人が存在して…
会えて…話せて…笑顔も見れた…。


人生の運を一気に使った気がするわ。


これが、須永嘉之のfirst impressionだった…。

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