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理想と偽装の向こう側
第9章 衝動と不安
ほんの軽く重なる感じだったが、明らかにキスされた…。


一瞬何が起きたのか…
眼を見開いたまま固まってしまった。


そんな私に嘉之は、


「まだ…時間ある?」


無いです!
なんて言えません!


「ダ、ダイジョウブデス…」


「よっしゃ!飲み直し!」


そう言って、私の手を引っ張っていった。


何処に行くんだろう~?


そう思いながら、着いていくしかなかった。


途中のコンビニでお酒やお摘まみを買い込んでいくことにしたが、嘉之は 


「ここで待ってて。俺買ってくるから」 


「はい…?」


何だろう?
割り勘して買えばいいのに。


コンビニの前で、しばらく待つ。


月を眺めながら今の状況を考えたが、夢にしか思えない…。


ここはやはり…頬っぺたツネるべきかな…。


自分の手を頬まで近づける…


「お待たせ!」
「わっ!」


「はははっ!なにそんな驚いてるの。」


今まで見たことない様な無邪気な笑顔。


なんか、二次会よりテンション高くない?


「荷物半分持ちますよ」


「大丈夫だよ」


「でも…」


「じゃあ、こっちお菓子だから」


紙袋を取りだして、残りの荷物を渡された。


紙袋出さなくてもよかったんじゃ…まあ、いっか。


「因みにどこ行くんですか~?」


持ち込みオッケーのカラオケとかかな?
と、思っていたら


「俺ん家…」
「はい?」


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