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理想と偽装の向こう側
第9章 衝動と不安
三年半前


嘉之と関係を持ってから、毎回同じパターンだった。


私も仕事に脂が乗ってきて、お互い忙しくなった。


行動時間帯が中々合わず、会えない時は、1ヶ月くらい空くときもあった。


だからだろうか、嘉之と会える時は必ず、身体を重ねることになる。 


そして、相変わらず


『好き』


の二文字は、嘉之の口からは発せられてない。


贅沢なんだろうか…
連絡とれて、会えて、抱き合って…

これ以上を望んではイケない気がした。


そう考えないと、不安になってくる。


『好き』


この言葉を貰えたら…
命尽きるまで、嘉之を愛せる自信があるのに…。


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