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理想と偽装の向こう側
第10章 信頼と疑惑
多忙が重なり、二ヶ月近く会えてない。


最初は電話も少しできたけど、最近はメールの返信もほとんどない状況だ。


時たま寂しくなったが、このプロジェクトが成功したら、嘉之の創作環境は断然良くなる。


毎日ヘトヘトになりながらも、それを励みに、私は自分に叱咤激励していった。


二ヶ月半くらい経った頃、久々にメールが届いた。


『香織、今晩会える?』


キタっ―――――!!


疲れが一瞬、吹っ飛ぶ。


明日も仕事だけど、一応着替えを用意しとこう。


新居が見れるのも楽しみたけど、嘉之に会えるのが何より嬉しかった。


『大丈夫!』


『じゃあ、最寄り駅まで迎えに行くから』 


『分かった!ありがとう!』


送信!!


猛ダッシュで用意し、家を飛び出した。


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