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理想と偽装の向こう側
第10章 信頼と疑惑
「宜しくお願いします」


それから、簡単な打ち合わせが始まった。


「では今度のミーティングで、ここまで用意しておきます」


「ありがとうございます。」


「いや~それにしても、やっとここまで漕ぎ着きましたね。」


宇田川さんは、感心込めて言ってくれた。


「そうですね…最初は一日千秋の思いでしたが、あっという間にここまで来ましたよ」



「成功したら、各業界でもかなり注目されますね」


「はい。結構センセーショナルな感じかも知れません」


「かなり画期的ですからね!楽しみですよ。宣伝と広告は任せて下さい!」


宇田川さんの言葉が、心強く有難い。


「はい!」


「けど無名な人を使うって、かなりチャレンジですよね~。この須永って人怖そうです」


元木さんが、急に嘉之の話題を振ってくる。

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