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第10章 信頼と疑惑

お手洗いに入り、しゃがみ込んでしまった。


最近、妙に胃にきやすくなっている。


そうなると息苦しいし、フラフラしてしまう。


何より全身にどす黒いものか渦巻く感覚が一番辛い。


分かってる…
これは『嫉妬』だ。　

私は、元木さんに嫉妬してるんだ。　


私と嘉之の関係はそんな簡単なモノじゃないと思いながら、私が出来なかったことを一足飛びしていく彼女を死ぬほど努力したもう一人の自分が羨んでる。


それに、私のことを何で彼女に聞くの？


言いたい…全部ぶつけてしまいたい…。


でも、答えを返してくれる気がしない…。


きっとキレるか、泣きそうな顔をするだろう。


「はぁ…戻りたくないな」


また、拷問が待ってる気がした。