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第5章 トラウマ

じと～と、小田切さんを見てしまった。


そんな私に頬杖付いて、メニューを見ながら


「香織ん…そんなに見詰められたら穴空くんだけど」


「小田切さん…自覚あるんですか？無いんですか？」


「何を？」


「その無防備な笑顔は、凶器ですよ…」


「え～？なにそれ！」


…多分、自覚ないな…
まあ、いいや～気を付けよ～。


そうこうしている内に、烏龍茶と生中がきたので乾杯した。　


「お疲れ様～！」
「お疲れ様でした」


空腹に胃にビールは、しみる…。


「でも、美味い！」


つい、言ってしまった一言に小田切さんが笑う。


次々、肉やらサンチェやら運ばれテーブルは、あっという間に焼肉祭りになった。　


小田切さんは、手際良く肉やら野菜やら焼いてくれた。


それを眺めながら、私はレバ刺しを食べた。


「美味しいぃ～！」


「はは！良かったね。俺にも食べさせて」


口を開く小田切さん。


「えっ！入れちゃうんですか」


「うん、だって俺忙しいから」


「じゃあ、お箸を…」


「それでいいよ～」


そう言いますが、これ私の箸ですよ…。


でも、いつまでも口を開けっぱなしにする訳にもいかない。


「…はい…」


パクり！と、箸先をくわえる。


「美味いっ！」


「美味しいですよね！」


「レバ刺しは、当たりハズレあるから、ここのは新鮮だな！香織ん、良かったじゃん！」


「はい！」


レバ刺しトークに花が咲いた。


それにしても本当にフリーダムな人だよ。