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第21章 逆転

「ただいま～！なんて」


アパートには時たま掃除しに戻っては来てるけど、しばらく居ないだけで生活感って感じなくなるもんだなって思った。


嘉之の作品は観てると辛かったからひっくり返していたのを戻す。


捨てなくて、良かった…。


これも役立つ日が、あったんだ。


頑張って欲しくて、自腹で買った作品の数々…。


本当に必死だったよね…私。


「えっと…三枚くらいだったかな」


梱包は宅配屋さんから箱を貰わないとだよね…。


連絡しようとした時だった。


「ガチャ…バタンッ！」


ドアの開閉の音がした。


「え…気のせいかな…？」


私、鍵閉め忘れたっけ…。


恐る恐る玄関の方に様子を見に行くと…


ガッと、両腕を掴まれ一気に押された。


「きゃあぁっ！！」


腕の痛さと恐怖で、閉じた眼を少しずつ開くと…。


「嫌ぁぁっ！！」