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理想と偽装の向こう側
第21章 逆転
「何よ…もう終わったんじゃないの…」


「俺は、認めたかよ?」


あぁ…やっぱり…
諦めちゃいなかったんだ。


「止めてよ!本当に!いい加減にしてよ!」


嘉之は気にも止めず、私に顔を近付けて


「香織…選択肢無いって言ったろ」


「や…」


唇を強引に重ねてきて、舌を絡み取られる。


「ふっ!ん~!」


抵抗しても、無駄なだけだった。


しばらくして、唇を離なすと


「さぁ…取り引きだ。香織のパスポートは何処にあんの?」


「は…パスポート…?何でよ」


「いいから言えよ」


悔しい!


「この…下よ…」


「ベッドの下ね…」


そして嘉之は、パスポートを見付けた。


「香織!明日から一緒にイタリア行くからな!」


へ…イタリア?

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