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理想と偽装の向こう側
第21章 逆転
◎ ◎ ◎ ◎

「…で、後は安岡さんが何とかしてくれるみたいだから…」


カラン…


氷が溶け落ち、グラスが鳴る。


小田切さんは、正面を見据えたまま動かない。


「小田切さん…」


「俺の事で…脅されたんだ…」


あぁ…やっぱり、そうきたか。 


「形はそうだけど、嘉之は私を縛る理由があれば何でもしただろうから…」


「いや…嘉之は本気で俺を排除したかったんだろう…だから、香織んに子供まで作らせようとしたんだから」


「小田切さん…」


「俺が、香織んを巻き込んだから…」


「違う!それはきっかけに過ぎない!本当の理由は…」


私が貴方を好きになったから…。


言葉が詰まる。


こんな状態で、真っ直ぐ受け止めてもらえるのかな…。

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