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理想と偽装の向こう側
第22章 約束
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「小田切さん!お待たせ~!」


「お疲れ様!」


居酒屋前での待ち合わせ。


思えば出会った日も、ここで語って、飲み明かしたな…。


その時は、こんな展開になるなんて思いもしなかった。


お店に入って、偶然にも最初に来た時に座ったテーブルになる。


おしぼりで手を拭きながら


「香織ん、何にする?」


「う~ん、今日はやっぱり…」


「とりあえず、ビール?」


「うん!そう!」


二人で眼を合わせて、笑い合う。


オムチーズに茄子の浅漬け、枝豆も頼んで


「今週もお疲れ様~!」
「乾杯!」


生中ジョッキを持ち上げて、カッチンッ!と鳴らす。


駆けつけ一杯のビールは最高!


ホクホク気分で、喉を潤すと


「因みになんで、レストラン予約したかったの?」


枝豆をつまみながら、聞いてきた。 


うっ…それを聞かれるとは、思わなかった。


「告ろうと…思ってたから…」


「ふ~ん、何を?」


がっ!!ここに天然を発揮してこなで欲しいんですけどっ!


「昨日…お伝えした事です…」


「嘉之の事?ん…それでレストランな訳ないか…」


小田切さんは、眉間に皺を寄せて真剣に考えてる。


マジですか!


「あっ、もういいよ!もう、伝えたし!」


「あっ!…ゴメン…そこまでしようとしてたのに…居酒屋にしちゃったね」


流石に気付いて、申し訳ない顔をする。


キュン!


いいです…
気持ちを受け止めてもらえたから、シチュエーションなんて、関係ないですよ!

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