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理想と偽装の向こう側
第22章 約束
小田切さんの舌先が、胸の先の突起を飴でも味わうかの様に丹念に転がしていく。


舌の動き…
広がったいく快感…
埋められた頭…
吐息と混ざり合う水音…


大好きな人に触れられて…

重なる肌が喜びで打ち震える。


全身の毛穴から、愛しい想いが溢れ出してくるみたいに…

熱く…

蒸気する。


「はぁ……ぁ…胸…イっちゃい…そぅ…」


激しいけどじっくり責められる胸だけで、頭の中は白濁としてきて蕩けそうだ。


「いいよ…香織…何度でも気持ち良くなって…」


「あぁ…はぁ…志…の…んっ!」


胸の谷間に小田切さんの唇が、優しく押し付けられた。


まるで、深く刻まれたお互いの傷が…

癒されていく…。


小田切さんに求められる度に、生きてきて良かったと心の底から思えた。


一緒に堕ちようとした闇は、今…


明るい水面に変わって、ゆらゆらと小舟を穏やかに揺らし…


私たちを幸せな未来に運んでいく。


胸の膨らみを包み込んでいた長い指は、身体の象を確かめるみたいに、万遍なくなぞり…


なだらかな丘と茂みを超えて、昨夜も悦びに潤わせた割れめを左右に広げた。


クチュ…ヌチャ…


早く食べて貰いたいと熟れた木の実は、指先が触れただけで全身がカッと燃えた様に熱くさせた。


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