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理想と偽装の向こう側
第22章 約束
「志信…時たま来てたんでしょ」


「うん…」


道具を置き場に戻し、駐車場に向かう。


「ねぇ…聞いていいかな?」


「ん~何?」


一昨日、橋の上で言われた事が気になった。


「ずっと我慢してたって…いつから?」


聞いといて、ドキドキしてしまう。 


「あっ…そうだな…多分、確信したのは香織が朝帰りした日かな…」


「朝帰り…」


もしかして、嘉之と再会した日。


胸元にキスマーク付けられて、それが見られて小田切さんは一晩帰って来なかった。


「付けられた胸元の痕に…正直かなり動揺したんだよね」


小田切さんは、苦笑いしてる。


「気付いたらここに来て、光花に謝っててさ」


「謝ったの!」


「うん…ごめんな…俺、香織に惚れたみたいって、報告して…ちょっと受け止め切れてない部分もあって、近くのビジネスホテルに泊まったんだ」


そうだったんだ…
私もあの頃から小田切さんへの気持ちを自覚していた。


同じタイミングで、惹かれ合っていたんだ。

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