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異世界のイケメンに脱童貞させてくれとお願いされている
第3章 初めてのキス
 

 いきなり胸とか股とか触ってくるかと思ったら、ユーグはわたしの頬に手を当てた。薄いブルーの瞳が閉じられて、ばっさばさの金の睫毛が近づいてくる。

 ちゅ、と軽く唇が触れあった。

 ユーグはそれだけで顔を離し、照れたように笑った。

 なに、その顔!
 反則!
 可愛い!

 今度は両の手で頬を包み込まれる。再び落ちてきたキスは、遠慮のない激しいものだった。

 うおおお、欧米式だあ。唇を何度も食べられて、舌を吸われて、歯列をなぞられる。息が乱れる。鼻でいくら吸っても酸素が足りない。

 柔らかい舌が上顎をくすぐって、思わず声が漏れた。

「んん……」

 ユーグがどんどん前のめりになってくる。圧力をかけられて、わたしはベッドに倒れこむ。

「キス、慣れてるの?」

 息を乱しながら尋ねる。

「これが初めてです」

 ユーグは恥ずかしそうに白状する。

 まじか。初めてでこれだけできるなんて天才なんじゃないだろうか。

 
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