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第1章 捕獲

「ふざけんなよっ!!」

顔を紅潮させて怒る岡田を見て、「つまらない……」と言って由香里はすっと脚を引っ込める。

（さすがに初日からそこまでは無理か）

由香里はそう感じてあっさり引っ込んだ。

「じゃあ今日のところはこの辺りにしてあげる」

妖しく微笑んで由香里は岡田の手錠を外してやる。

「今日のところはっ!?」

由香里の言葉に驚きながら自由になった手を慌てたように引っ込めた。

「当たり前じゃない？　岡田君は先生の言うこと、なんでも聞くんでしょ？」

自由の身になった岡田の反撃などまるで恐れていないように、由香里は上品に笑って教え子の頬をそっと撫でた。

毒気に触れたように岡田はビクッと身を震わせるだけで、由香里の手さえ払えずに身体を硬直させた。

まるで蜘蛛の巣から逃れられない蝶のように……