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ねぇ、しよっ!
第5章 指
手を引かれ、喫茶店を半ば強引に連れ出されたあたしは、マスターとママの住む、お店の上のマンションに居る…

『えぇ、そういうことだから、あとはよろしくね、えぇ、はい。』
ママがマスターに電話をしているようだった。


『さてと、玄米おじや、食べて。』

おじやから立ち上る湯気の匂いも、食欲を呼んではくれず…

『ちいちゃん!吐いてもいいから食べなさい!』

拒食気味になっていたあたしをママは一喝した。

スキルミルクを温めに沸かし、マグカップをあたしの手に持たせると

『じゃあ、これ飲んで。』

一口、「こくっ」と飲んだ。優しい温度が、口から喉へ、喉から食道へと流れ、からっぽの胃に行き着いたのがわかる。

ママの優しい気持ちが躯を伝ったようだった。


『ゆっくりでいいのよ。話せそうになったら、話してみて。』



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