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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待



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 馬車から降り立った先に見えるのは、広大な敷地を誇る整然とした庭園と、その奥にある豪奢な建物だ。


 ハルとナツは並んで周りの景色を見渡し、圧巻されていた。


「なぁ、ナツ。俺は夢でも見てんのか? 俺ら馬車から一度も降りてねーよな? なのになんでこんな場所に来れてんだ? 日本家屋もねー、ビルもねー……。そもそもあいつら、どうやって来てたか不思議だったんだよ。この馬車になんか仕掛けでもあんのか?」


「ハル兄! それ、突っ込んじゃ駄目なところ!! 僕だって我慢してるのに。突っ込むのはしーちゃんの下のお口だけにしておこーよ。ね?」


「…………だな」


 ハルはこの状況もナツのフォローにも納得し難いものがあったものの、確かにここは敢えて触れるべきではないと無理矢理自分を納得させた。


「とにかくしーちゃん捜そうよ! 僕らがいない間にしーちゃんの淫魔が暴れでもしたら、誰か消えちゃうんだよ!?」


「消えた奴は自業自得だろ。それよかシズに俺らの許可なく触れることのほうが赦せねぇ。シズは無自覚に男を誘うからな」


「そうだね。そんな奴いたら、チョン切るだけじゃ赦せないよね。顔の形が変わるくらいボコボコにして、お尻に巨大バイブ突っ込んでお仕置きしなきゃ」


 普段は王子様のような麗しい顔を今は腹黒さ全開にして、ふふ……とナツは笑う。


 ハルは普段から端正な顔付きながらも凶暴さを滲ませているのに、一層険を孕んだ表情で建物を睨みつけ、ナツを伴って見上げる邸へと歩みを進めた。






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