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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待




「あのね、アリちゃんとメールのやり取りでこの病気のこと聞かされて。それであたしたちの国でこういう病気ないか相談とかされて。けどあたし、12年も眠ってたわけだし、病気のことなんて詳しくないし。だからハル兄ならなんとかしてくれるんじゃないかってアリちゃんに言って」


 身振り手振り付きで必死に説明をするシズ。そこにレオの腕に縋っているアリエッタが付け加える。


「も、申し訳ありません、ハル様。騙すつもりなんてなかったんです。ただ……ハル様とナツ様はシズさんのためじゃないと動かれないかと思いまして……」


 アリエッタは話しながらビクビクしている。ハルの剣呑とした雰囲気に怯えているのは明らかだ。


「でね、いい機会だしナツも招待しちゃおうってことになって! だけどふたり共忙しいし、普通に招待したり病気のこと相談しても来てくれないかも……と。そこであたしは閃いたわけ! 誘拐されたことにしちゃえば、嫌でも来るんじゃないか! って」


 嬉しそうに語るシズをハルは眼を眇めて見遣った。


「よーく解った。……が、いい度胸だなぁ、シズ? 俺を騙した罰はしっかり受けてもらうからな? 覚悟しとけよ」


「ひぃぃ! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!」


 本気で震え上がるシズを見て、少しは溜飲が下がった気分だった。






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