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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待




 ダブダブの服を着た丸っこい子供。そう、それは幼き日のナツの姿だ。


 19歳のナツはファッションモデルを務める絶世の美青年だ。周囲から王子と謳われるほどの美貌の彼からは想像がつかないだろうが、子供の頃は肥満体で丸々としていた。


 ハルの記憶にあるナツの姿と寸分違わず再現されているナツにハルは眼を見張る。


 ナツも自分の身体を見下ろし驚いてから、しくしくと泣きだしてしまう。


「僕、頑張ってダイエットしてしーちゃんに相応しい男になったのに……あんまりだ!」


 しくしくしく……。ナツのすすり泣く声が耳に痛い。ハルだってその努力を知っているからだ。


 だが泣いているナツよりもハル自身が注目を浴びていることに、セレンが驚愕の声を上げるまでハルは気付いてなかった。


「あ……あなた! 30歳オーバーね!?」


「あ!?」


 まるで汚い物でも見るかのように、セレナは掌を見せた手を口許にかざしている。


「見た目が若いから騙されたわ! なんてことでしょう! あなたもジジイじゃない!」


 30歳超え、ジジイのふたつのキーワードに敏感なハルは精神的ダメージを食らう。






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