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隠匿シリーズ☆番外編
第9章 突然の招待




「足が痛いよぉ」と嘆いて、抱っことせがむシズ。「森は飽きた。別の遊びがしたい」と我が儘を言うレオ。「休みたい」と辛抱強いはずのジョシュアまでもが不満を漏らす。


 アリエッタに至っては、無言でポロポロと涙を零している。


「ちょ、おい。どーしたってんだ?」


 見た目こそ子供である彼らは、心は大人のままだったはず。だが眼の前の彼らは心も子供になってしまったかのようだ。


 ハルの問いかけに誰一人として答えず、それぞれ自分勝手な行動をしだす始末。


 シズは相変わらず抱っこをしてとせがんでくるし、ナツは歩きたくないと座り込んでしくしくと泣く。レオとジョシュアは脇に刺す子供用の剣で遊び始めるし、アリエッタは泣き止んだはいいが地面に枝で絵を描いている。


 その様子を呆然と眺めていたハルは、ある結論を下す。


 ハルを襲っている眠気もそうだが、彼らにも別の影響──心も子供にする魔法がかけられた、という結論だ。


 セレンの邸に近づくにつれ影響力は多大となり、彼らが意識する以前に魔法が完全にかけられてしまったのだ。


 身勝手な行動をする彼らを眺め、ハルは呟く。


「あ……悪夢だ」


 こんな子供たちを連れて、一体どうしろと言うのか。


 未知なる力を持つセレンに負ける気はしなかったハルも子供相手にはお手上げで、暫し愕然としていたのだった。






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