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隠匿シリーズ☆番外編
第2章 王子様の憂鬱



 アリエッタは言葉にならない声でもごもごと口籠っている。


「なんだ? 嫌なのか?」


「嫌じゃないわ! レオの子供なら欲しいもの!」


 と、弾けたように言い切り。しかしアリエッタは恥ずかしいのか、口をパクパクとさせてますます赤くなる。


 レオは忍び笑い、アリエッタを抱き上げた。


「俺もだ。男児でも女児でもアリエッタに似てたら可愛いだろうな」


「わ、私はレオに似てて欲しいわ……」


 彼女は小声で言う。レオはそのアリエッタを寝台へと運びつつ、少し考える。


「……駄目だ。俺に似た男は」


「どうして?」


「アリエッタが抱いているのを想像するだけで腹立たしい」


「自分の子供なのに?」


 クスクスと笑うアリエッタを横たえる。


「そうだ。アリエッタに似てたら赦せるけどな」


 愚かしいほどにこの愛しい女性に溺れている自覚はある。


 そしてアリエッタのこととなると狭量になる自覚も──。








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