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第2章 貴方に似た誰か

周囲の人も何事かと私たちの方を遠巻きに見る。

奇異に満ちた目付き。
痴話喧嘩を楽しみにしているような、卑怯で下世話な瞳。

以前聡志と喧嘩してしまった時も周囲からこんな目で見られたことを思い出した。
急に大きな声を出してしまった私にうんざりした表情を見せた聡志。
喧嘩をした内容より取り乱した私を軽蔑した目をしていた。

あの時の苦い思い出が頭にフラッシュバックされる。


「なんだ、お前。大きな声も出せるんだな」

「えっ……」

名執さんはおかしそうに笑った。