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あなたの面影
第7章 意外な敵
待ち合わせの時間から三十分遅れてやって来た怜香ちゃんは謝りもせず「行こ」とぶっきらぼうに告げて歩き始める。
ワガママとは聞いていたが常識知らずとは聞いていない。
少し不快感はあったけどひとまず彼女のあとをついていく。

「どこ行くの?」

問いかけると怜香ちゃんは面倒くさそうに「実家」と単語で答える。

「じ、実家って……」

驚く私を無視して彼女はタクシーに乗る。
仕事帰りのみすぼらしい格好で一仁さんの実家に行きたくない。

「ほら、早く乗って」

しかし彼女は猶予を与えず急かす。
仕方なく私も隣に座った。

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