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あなたの面影
第7章 意外な敵
私が暮らすアパートはそこからタクシーで十分ほどのところにあった。
山手の住宅街とは違い、この辺りはひとり暮らしの若者が住むアパートなども多い。

大きな幹線道路も近いから騒音も多いし、空気も汚れている。
けれど賑やかなところで私は嫌いではない。

「だっさ!! 築何十年な訳、このアパート」

しかし私の暮らすアパートを見た彼女の第一声は私を気後れさせるに充分だった。
先ほどの大邸宅を見たあとだから余計だ。

私だって引っ越そうとは思っていたが、そうは出来ない理由がある。
もし私がここからいなくなったら、聡志が戻ってきたときに私を見つけられないから……

しかしそんなこと口が裂けてもこの子には言えない。
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