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第9章 危険な罠

彼の指は優しく私の身体を触れていく。
そして薄皮を捲るように丁寧に服を脱がせていった。
この間の縄で縛り付けて荒々しく抱いた人と同一人物とは思えないほどに優しく。

正直男性に対する恐怖が更に増しそうだった私だったが、彼の優しい愛撫で凍りかけた心は溶けていった。
私も彼の服を脱がせ、肌を撫でる。
逞しい胸板にキスをして、乳首を舐めた。
擽ったそうに身体を捩るからわざとしつこいくらいにそこを責める。
彼の指も陶芸家のように繊細に私の身体の至るところを撫でてくれた。
余計な衣服がすべて剥ぎ取られてから私たちは寄り添ってベッドに沈んだ。

一仁さんの全てが愛しい。
それを表現する為に私は彼の身体の隅々まで舌を這わせていた。
腋も、お臍も、足の指までも舐めていた。
そんなことをしたことは勿論今まで一度もない。
彼も私の身体を一部始終舐めてくれた。
首筋も、指先も……
お尻の穴まで舐められたときはさすがに恥ずかしくて抵抗したけど、彼の舌は許してくれなかった。