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あなたの面影
第12章 傷の深さ
「雨、止みそうにないね……」

週間天気予報なんてものはあてにならない。
窓の外は止みそうもない雨が降り続いていた。

最後は二人でよく行った動物園で別れようと思っていたのな、それは叶いそうもなかった。

「仕方ないね……」

ひとまず私の部屋に来てくれた聡志は少し残念そうに呟いた。

今日の日のため、私は何度も別れの言葉を練習してきた。
泣かない自信もある。

淀みなく、自然を装って聡志に告げる。

この一週間その事ばかりを考えてきた。
一仁さんにはもちろん伝えていない。

なにごともないように普通にメールをしていた。
すべて終わったら話すつもりだ。

「せっかくだけどまた今度にしようか」

聡志はそう言って立ち上がる。

言わなきゃ……

そう決心すると心臓がバクンと大きく飛び跳ねた。

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