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あなたの面影
第12章 傷の深さ
聡志が立ち上がった瞬間----

ピンポーンとドアのチャイムが鳴った。

えっ……!?

私と聡志は固まった。

そして再度、チャイムが鳴る。

「瑞波……お客さんだよ?」
「う、うんっ……」
「彼氏かな?」

私の部屋に来訪者なんて一仁さんくらいしかいない……
血の気が引いていく。
なんで、今来るのっ……!?

「大丈夫だよ……俺は瑞波のいとこっていうことにするから」
「でもっ……」
「地元の方言丸出しで喋るから安心して」

そうじゃない……
そんなことをしても意味がないんだって、聡志……

「心配するなよ。俺は瑞波より演技がうまいんだから」

無駄なのっ……
だって二人は……

「瑞波。いるんだろ? 入るぞ?」

一仁さんにスペアキーを渡したことを死ぬほど後悔していた。
錠が開く音が冷たく響き、ドアが開く。


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