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あなたの面影
第12章 傷の深さ
「なに言ってるの……? 私は」
「瑞波は俺が聡志に似てるから惹かれた、違うか?」
「それはっ……」

違わないけど、でもあくまできっかけだ……

「聡志の代用品だったんだよ、俺は。そう感じてしまって自分を責めている瑞波に、俺が気づいてないと思ってたの? 俺を愛することで聡志を忘れてしまうんじゃないかって不安になっていた、そんな瑞波の気持ちに気づいてないと思ってたの?」

一仁さんは優しく笑っていた。
何もかもこの人には見抜かれていたんだ。

「でも……今は違う。一人の男性として一仁さんが好きです」
「違う……今の瑞波は俺に遠慮してるだけだ……好きになった途端に聡志が戻ってきて、俺にお役御免を告げられないだけなんだよ。瑞波は優しいから……」

一仁さんはゆるゆると首を横に降って囁いていた。


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