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あなたの面影
第14章 エピローグ
専門的な言葉が多く、正直聞いていてもなんのことだかわからない話が多かったけど、嬉しそうに語る彼の顔が好きだから私は頷いて聞いている。

それから台湾のこともたくさん話してくれる。
人が優しいこと、屋台が美味しいこと、活気があってみんな生き生きしていること。

そんな一仁さんを見ていると、笑顔で送り出せてよかったと心から思える。
三年間なんて待てると勇気も沸いてくる。


聡志さんを待ち続けていた三年とは違う。
風化した面影を待っている訳じゃない。

はっきりと、一仁さんを追いかけている。

日差しを受けて光る飛行機の機体を見詰めながら、私は一仁さんへと繋がっているゲートを潜り抜けていた。


あなたの面影  〈終わり〉


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