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あなたの面影
第5章 願望
確かに昔はこんなに固い口調で喋ることはなかった。
聡志が消えてから私は男性と喋るとき、どうしても緊張してしまう。
無意識に丁寧に喋り、相手と距離を取ろうとしているのかもしれない。

誰にも、心の内側を覗かれたくないから……

「で? デートに誘ってきてどこに行こうって言うんだ?」

デートという言葉が私にチクリと罪悪感のような痛みを与える。

「デートじゃなくて……そのっ……一人で行っても寂しいから一緒に行ってもらいたくて」

「それがデートってもんじゃないのか? まあ、いいけど……で、どこに行くの?」

「動物園……」

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