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第5章 願望

私もこの動物園に来るのは本当に久しぶりだ。

『一人で行っても寂しい』と名執さんに言ったのは嘘ではなかった。
ここに来ると聡志のことを思い出してしまう。

象にお出迎えをされ、パンダ舎、熊のゾーンへと歩いていく。
動物園なんて全く興味がないと思っていた名執さんは驚くほどに楽しんでくれていた。

その姿が聡志に重なる……

やっぱりこの人は……

いや、そんなはずがない……

だって聡志ならなぜ私に正体を隠す必要があるの……？