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あなたの面影
第5章 願望
「なあ、瑞波……」

女の子をあやしながら名執さんが視線を向けてくる。

「なんですか?」

「悪いけどこのままこの子の母親が迎えにくるまで一緒にいてやっていい?」

申し訳なさそうな顔をしてそう言った。

「悪くなんてないですよ」

「けど瑞波、もっと園内見たいんだろ?」

「っ……」

私に気遣いながらも女の子を一人にさせたくないという、その優しさが聡志と重なる……

古い傷が疼くように胸の奥が熱をもって傷んだ。


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