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あなたの面影
第6章 雨が降る金曜の夜
「まあ、気になってしまう理由が聡志さんに似てるってとこが瑞波らしいけど……でも話聞く限りいい人そうじゃない、名執さん」
「えっ……うん……まぁ……」

亜里沙に話してない部分、無理矢理キスされたことやホテルでのSっぷりが気にかかるため歯切れの悪い相槌になってしまう。

しかしそんな事情を知らない亜里沙は煮え切らない私の態度がすべて過去の恋愛から来るものだと勘違いしたようだった。

「もういい加減聡志さんのことは諦めないとダメだよ? 忘れろ、とは言わないけど……終わった恋なんだから」
「…………うん。まぁ……」

やっぱり私の歯切れは悪い。
終わった恋。
いつ終わったのだろうか?
聡志が消えたあの夜?
待ち続けても帰ってこない聡志を少しだけ恨んでしまった夜?
それとも名執さんとホテルに入ってしまった瞬間?
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