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ダークサイド・ムーン- 催眠術師の秘密倶楽部 序章 -
第8章 息子から男へ
「それは、違うよ。影虎君」
「えっ!?」
神内の否定の意味が判らない。

「影虎君。僕の眼を見て」
僕は言われるがままに神内の眼を見る。

部屋に流れる音楽の音が小さくなっていき、神内の声しか聞こえなくなる。

僕の意識が神内の眼に吸い込まれていく。

「影虎君。僕の声が聞こえるね」
「はい。聞こえます」
神内の問いかけに答える僕の声は、他人の声の様に遠くから聞こえる。

「影虎君。影虎君は今、催眠術にかかっているよ」
「はい」
僕の口は僕の意思とは別に神内の話に素直に答えるが、不思議と頭の中では、冷静に自分の状況を理解している。

『あぁぁ。まただ。また、神内に催眠術をかけられてしまった。もう、神内には逆らえない』
催眠術にかけられ心も身体も囚われの身になった僕は神内の言葉を待つ。

「これから僕が言うことは、影虎君の心に深く刻み込まれ、影虎君の感情と行動に影響を与えるよ。僕の言うことを影虎君は素直に受け止めるんだ」
「はい」

「影虎君は、僕の言うことに一切疑問を持たず、僕の言うことに心から納得して、受け入れるんだ」
「はい」
僕の頭と心は抗うことをせず、神内の言葉を受け止める。

「影虎君は、お母さんのオナニーを見てしまって悩んでるんだね」
「はい」

「お母さんの事を、いやらしい眼で見てしまう自分が許せないんだね」
「はい」

「毎日、影虎君の為に頑張っているお母さんを裏切ってしまった罪悪感で、影虎君は自分を責めているんだね」
「はい」

「それは、違うよ。影虎君は自分を責める必要はないよ」
「えっ!?でも」

「影虎君がお母さんをいやらしい眼で見てしまうのは、お母さんがエロスのオーラを出しているからなんだよ」
「エロスの、オーラ?」

「そう。お母さんは、美人で巨乳、スタイルもいい。まだまだ女盛りだ。お母さん自身も気づいていないけど、お母さんの身体は女の悦びを求めているんだ」
「女の、悦び」

「でも、お母さんは、影虎君と瑠奈ちゃんを立派に育て上げるために、女の悦びを封印したんだ」
「封印。女の悦びを?」

「そう。だが、力ずくで封印しても性への肉欲は心と身体に溜まり続ける。溜まり続けたお母さんの肉欲は、もう限界なんだろう。だからお母さんの身体中の毛穴から、エロスのオーラが耐えきれなくなって溢れ出した」
「エロスの、オーラが!!」

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