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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
《巻の壱》

 鈍色の雲が帯のように垂れ込める低い空を見ていると、心まで滅入ってくるようだ。泰雅は大きな吐息を洩らし、慌てて周囲を見回す。当然というか、幸いなことに、辺りには人影どころか犬の子一匹さえ見あたらず、いつもながらに静かな人気のない道が延々と続いているだけだ。
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