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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第60章 《其の壱》
 嗣道が照れたような表情で笑っていた。
「何も今生の別れでもないと申すに、我ながら何とも往生際の悪いことよな。女のそなたの方がよほどしゃんとしておる」
「旦那さま」
 弥子の胸にも熱いものが込み上げる。
 祝言の日からのこれまでの日々が、嗣道との想い出が一挙に溢れてくる。
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