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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第60章 《其の壱》
「生まれたかッ!」
 表にいた源太夫は、〝姫君ご誕生〟の報を受け取るやいなや、走るようにして奥に駆けつけた。
 弥子は貴美子の枕辺に侍り、ずっとその一部始終を見守った。赤児が生まれてからも、弥子はずっと貴美子を気遣わしげに見つめ、側から離れようとはしなかった。
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