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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第61章  《其の弐》 
 何しろ、貴美子の出産は当初の予定では卯月の初めと聞いている。それが、一ヶ月早くなったのだ。ひと月早く生まれた赤児は、とても小さかった。色は白いし、眼鼻立ちは整ってはいるものの、随分と痩せていて、赤児のような福々しさは感じられない。
 弥子自身、三度の出産を経験しているけれど、貴美子の生んだ姫君は我が子の生まれた当時とは比べようもないほど痩せ細っていた。そんな赤児を見ていると、弥子はこの姫君が果たして無事に育つのだろうかと、一抹の不安を感じずにはいられない。
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