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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第61章  《其の弐》 
「かかさま」
 三歳の郁奈が乳母の手をふりほどき、走ってくる。それを見た傍らの二歳の倖奈もパタパタと小さな脚音を響かせ、姉の後を追った。
「かかさま、今度はいつお帰りになるの?」
 郁奈が無邪気な顔で弥子を見上げる。
 そのあどけない声に、弥子はまた、涙が溢れそうになった。
「ととさまがおっしゃったの。今度はお帰りになるまで、少し長くかかるかもしれないって」
「―」
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