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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第64章 十三夜の月 《壱》
 美咲は一晩中、まんじりともせず、朝方になって着の身着のままで実家に戻った。妹からすべてを聞いた誠一郎は激怒し、すぐに内藤家に赴いた。流石にその頃には壱之進は帰宅していたものの、兄にいきなり浮気について問いただされた壱之進は平然とそれを認めたのだ。
 ここに至っては言い逃れはできぬと観念したものか、それとも、どこかでこんな生活には見切りをつけようと考えていたのかもしれない。
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